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SMBC日興問題の本質vol.2

SMBC日興問題の本質vol.1で述べたがブロック取引において証券会社の利益は売り手が売却する株式を“買い取る価格”とそれらを買い手に売却する“売却価格”の差額である。



私の経験上200~500bp程度の差額が収益になることが多かったが、はたしてSMBC日興は引け値を維持するような大きなリスクを取ってまで必要な収益だっただろうか?その答えは今の苦しい証券会社の収益構造を考えると見えてくる。



証券会社、特にマーケット部門のビジネスモデルは近年薄利多売になっており100bp以上収益が上がるブロック取引には旨みがある。それ故一度きりのブロック取引ではなく実績を積み重ね、継続することが重要であり、証券会社からすればその取引をパートナーとの信頼関係の下、比較的“容易”に続けていくことができればブロック取引は株式部門の安定的収益となり得る。


一方売り手最大のメリットは、保有株式の現金化が市場で売却するよりも早い点である。もちろん市場で売却する際マーケットインパクトを考慮しながら売却しなくてはならない規模だと当然時間がかかる。通常1日出来高の30%程度の関与率で粛々と売却していくのだが、マーケットの状況次第でさらに下落してしまう可能性がある。結局ブロック取引と市場内での売却でどちらのメリットが高いかを考えて判断することになる。簡単に言えば少しでも高く売却できる方法で売りたいのである。


このメリットはわかりやすい。今回当該株価が下落しすぎブロック取引がキャンセルされないように引け値を維持したというSMBC日興サイドの言い分は、できるだけ高く売却したい売り手の意向を反映した行動であろう。


続いて買い手のメリットだ。本来買い手のメリットは将来性有望な株をブロック取引執行日の終値よりディスカウントレベルで購入出来ることであるはずだ。しかし実際買い手は大きく2種類あることを理解していただきたい。1つはブロック取引前にその取引を知りえる買い手A群、もう1つはブロック取引が公になった後に知る買い手B群である。A群の代表はヘッジファンドおよび大手機関投資家(ロングオンリー)、B群はその他の買い手(個人投資家を含む)だ。B群は本来のメリットを追求していると考えてよいだろう。重要なのはA群の投資家である。(vol.3 へ続く)


xoxoかえるさん

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