こんにちは、はじめまして。TEAM xoxoのロンです。
(出典: マネープラス)
外資系の証券会社で長くトレーダーをやっていました。証券会社で成功するためには、自分で稼ぐことももちろん大切ですが、優秀な後輩を育てることもとても大事な役割でした。
今の証券会社はスーパースターが1人いて利益を生むことよりも、チームで利益を恒常的に生み出してチームでいい給料をもらうことに重きを置いているからです。
株式トレーディングは証券会社で証券取引所と接するもっともコアなビジネスです。チームの若いトレーダーを育てるだけでなく、機関投資家営業担当の若手にも株式売買の基本をたたき込みむ必要があります。また、機関投資家の若手の社員を1ヶ月とかの期間で預かってトレードのイロハを教えることもよく依頼されました。私達は、トレードはもちろん、若い人達に合理的に効率的に相場を教えることについてもプロだと自負しています。
日本株の動きを理解するのにもっとも効果的だったのが、「米国株式市場」を理解することだと断言できます。株式市場に真面目に取り組む気持ちがあるのなら米株を知ることが王道です。
■証券会社の朝は米国市場のランダウンからはじまる
米国市場の重要性を説明をする前に、証券会社の株式部の1日の流れを教えましょう。意外と知らないと思いますが、証券会社の朝は極端に早いです。トレーディングや営業をしているフロントの社員はだいたい朝7時前には出社します。海外との連携をする社員は6時前後には来ています。それは米国株式市場が引けるのは16時。日本時間ではサマータイムには朝5時、標準時間では朝6時に引けます。米国が引けてから日本市場が始まるまでの時間が情報を収集してその日のトレーディング方針などを立てるのに一番大事な時間だからです。
【証券会社株式部の一日】
5:45 自宅
テレビ東京の経済ニュース「モーニングサテライト」で米国市場を総括
7:00 出社
マーケット・ランダウン
海外で起きた重要なことを、NY、株式部内などで確認
7:30 株式ミーティング
ストラテジスト、アナリストなどによる情報アップデート
8:00 リサーチ、トレーディング、営業チームから顧客に情報発信
9:00 東証寄付
トレードは寄り付きが重要。出来高が一番多くなるのが寄り付きだということが多いからです。
市場情報をトレーダー間で共有。
常に、株価指数、為替、各種先物動向、債券などの金融商品のトレンドをリアルタイムでチェック。
日経、Quick、ブルームバーグ、ロイター、NHKなどの主要ニュースベンダーの記事を常にチェック。
15:00 東証大引け
引け後の決算、開示などのチェック、情報収集。
このスケジュールを見てもわかるように、一番大切なのは7時から8時の間の情報収集と朝会です。その日の株式市場で重要な為替、金利、先物などのチェックポイント、注目の材料、セクター、銘柄などを確認しておきます。この短時間にどれだけ情報をインプット出来るかが一日の結果を左右します。
極端な話、朝が早いので相場が暇なときは4時にこっそり家に帰ってしなったり、社内のジムに行く人もいます。いつも朝が早いので、仕事をしっかりこなしていれば、そういうことには細かく言う人は少ないのです。これで、朝の米国市場を知ることがどれだけ大切なことだかわかるのではないでしょうか?
朝会のポイントは「Team xoxo」のツイッターなどで、無料でアップデートします。また、有料メールでも、朝忙しいときにでも必ず読めるように、当日のトレーディングで頭に入れておきたいポイントを解説します。
また、週1の定期メルマガでは、金融リテラシー、運用ノウハウ、ポートフォリオ投資の考え方など金融ナレッジ系の情報楽しいライフスタイルなどをお伝えしていきます。その価値はあると思いますので是非1ヶ月無料体験をご利用ください。
■米国株式市場を知れば世界の株式市場がみえる
【米国市場が重要なワケ】
■世界の運用資金が一番大きい国が米国
2020年末の世界の運用資産残高は103兆ドル(約1京3000兆円、京なんてさすがに金融の世界でもあまりつかいませんね)と過去最高に達しました。21年の米国株の上昇を考えると21年末はもっと増えていることでしょう。
59%が機関投資家、41%が個人の運用資産です。地域別では北米が47%、欧州が25%、アジア(日本と豪州を除く)14%、日本と豪州が8%。米国の運用資金は桁外れにでかいのです。
メインプレイヤーの動向が見えないと金融市場を理解するのは難しいでしょう。
BCG世界運用資産残高
■世界の株式市場で時価総額が一番大きいのが米国市場
世界の株式市場の時価総額の総計は約66兆ドル(約8400兆円)。米国が39兆ドル、日本は世界では2位だけど4兆ドル、3位英国3兆ドル、3位中国2兆ドルです。比率では、米国が60%、日本が6%、英国4%、中国4%です。日本の株式市場は世界では2位なのですがたった6%にしかなりません。株式投資するなら最大の米国での動向が解らなければ話にならないのです。
前述のとおり世界の運用資金は103兆ドルです。株式時価総額は66兆ドル。投資先は株の他に、債券、オルタナティブ(ヘッジファンド、REIT、土地、プライベートエクイティなど)、商品などに投資されているのですが、金余りなので常に資金はリターンを求めて金融市場を巡回します。今、資金がどこに向かっているかを把握するためにも米国はみるべきでしょう。
世界時価総額シェア
■世界の運用資金が一番保有しているのは米国株
世界の機関投資家の多くがベンチマーク(指標)としているのはMSCI世界株指数(オルカン)指数です。オルカンの国別のアセットアロケーション(投資配分比率)は米国が61%、日本が6%、イギリス、中国が4%です。前述の世界の時価総額に準じた比率になっています。
機関投資家は平均して株式運用資金の6割を米国株に投じていると言うような意味です。機関投資家がコアとして長期保有している銘柄は長期でリターンを生み出す可能性が高く、そのトレンドをつかためにも米株のチェックは必要です。
MSCI世界株指数(オルカン)
■外国人の日本株の保有比率は30%に達する
東京証券取引所が毎年7月に発表するデータに日本株「株式分布状況調査」があります。年度末の日本株の保有状況に関する調査です。21年3月末時点での日本株の保有状況が以下の通りです。
外国法人 30.2%(前年度比+0.6%ポイント)
金融機関 29.9%(同+0.4%ポイント)
(うち信託銀行 22.5%(同+0.8%ポイント))
個人 16.8%(同+0.3%ポイント)
事業法人 20.4%(同 - 1.9%ポイント)
日本株を一番持っているのは外国人なのです。だから外国人のトレンドをみるために外国株をみる意味があります。
ちなみに、信託銀行の保有する日本株は、GPIFの国民年金を含め、厚生年金、企業年金などの保有する株および投資信託保有分です。僕たちの年金運用の資産全体よりも外国人の保有比率が高いんです。
株式分布状況調査
■日本株市場で外国人投資家の売買比率は60%
日本株保有が一番多いのが外国人なのですが、東証での売買シェアではさらに上がります。21年の年間のシェアが外国人が60%です。個人が19%、法人が7%。日本市場が動くのはほぼ外人動向と連動します。
外国人は基本的には米株についても日本株についても、グローバルな見方でファンダメンタルズに基づいて投資しています。アセットアロケーションで米株を増やしたり、日本株を増やしたり、新興国を増やしたりと調整をします。
投資においては大きな資金の流れをみることが大切です。と言うことは、米国の投資家が何を考えてどのように投資しているかを知るために米国市場の動向を知ることは必須ですね。
東証売買シェア
■経済のグローバル化、世界経済のシンクロ性が進んだ
GAFAM(アルファベット、アップル、メタユニバース(旧フェイスブック)、アマゾン、マイクロソフト)という米IT系ジャイアンツは世界中のプラットフォームになり、世界におけるPC、携帯、ゲーム、半導体などのトレンドは世界的に連動性が高くなりました。
米国の半導体メーカーの業績が向上すれば、アジアで半導体を製造しているメーカーの業績や日本の半導体製造装置メーカーの業績も上向きます。株価の連動性が高くなりました。
また、世界的にテーマ投信というのが売れ筋となり、「5G」「EV」「半導体」「環境」などテーマ投信は、米国株も日本株も欧州株も同じテーマの銘柄へ投資します。したがって、世界の株価のセクター毎の連動性がかなり高くなっているのです。米国で人気化しているテーマや投信、ETFはフォローしておくべきでしょう。
■米国企業の決算シーズンでは日本市場が一番に評価する市場
アップルが米国市場で引け後に決算発表をすると、アフターマーケットという日本のPTS市場のような市場はありますが、アップルの好決算を一番に評価する主要市場が日本になります。
もし好決算で翌日のアップル高を見越すなら、アップルと連動性の高いアップル関連の日本株を先に買っておけるのです。決算シーズンには米国株が日本株に大きなヒントを投げかけてくれる事が多いのです。
先日、ネットフリックスが新規会員数がマイナスに転じ米国市場で1日で35%も下げました。ネットフリックスが決算発表したのは前日引け後。アフターマーケットで25%安まで売られていました。それをわかっていれば、翌日の本市場でのネットフリックス安は想像できたはずです。ネットフリックスは画像配信の企業です。ウィズコロナで新規会員が増え、業績が拡大し買われた銘柄です。翌日、画像配信銘柄やウィズ・コロナ銘柄が連れ安したのですが、これも想像がついたでしょう。わかっている投資家は、日本市場で先に関連する銘柄を売っておいたのです。
米国で半導体が買われれば、日本株でも半導体が買われる可能性が非常に高いです。米国で銀行が買われれば日本でも銀行が買われる可能性が高いです。今後、色々と紹介、色々と紐付けしていきます。
なお、TEAM xoxoのツイッターでは、米国市場のポイントを朝一番でお伝えしていくので是非フォローよろしくおねがいします。インスタではライフスタイルなどを中心に楽しいことを発信していきます。有料メルマガではそのポイントの詳細をお伝えするつもりです。運用、トレーディングにとって一番大事な朝の情報をどこよりも早く解りやすく配信します。是非一度無料登録をしてみてください。よろしくお願いします。 xoxo
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